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城昌幸 若さま侍捕物手帖
第一巻 舞扇の謎
昭和14年より30年間にわたって執筆され、野村胡堂「銭形平次」などとならぶ五大捕物帳のひとつとされている城昌幸「若さま侍捕物手帖」。
現在存在が確認できている279編を、執筆年代順に網羅する初の事実上の全集化。
第1巻には昭和14年に発表された第1作「舞扇の謎」をはじめ、おんな白浪、猿まわし、幽霊駕籠、かすみ八卦、謎の封筒、もののけ娘、甘利一族、声でない声、曲輪奇談、鬼仏往生、尺八巷談、お雪物語、うんてれがん、霊亀香人形供養、黄楊の小櫛、空鞘判断の計17編を収録。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第二巻 五月雨ごろし
第2巻には昭和16年から23年にかけて執筆された、三十石夜船、暗闇まつり、お年貢金五百両(戯曲)、亡者殺し、心中歌さばき、五月雨ごろし(中編)、尻取り経文、黒装束、ぶらぶら小袖、歩く首吊り、振袖猫、三人甚内の計12編を収録。
このうち、黒装束、ぶらぶら小袖、歩く首吊りの3編は、昭和25年発行の大衆読物社版以来の単行本収録となる。
また、巻末には、まぼろしに終わった「若さま侍上方日記」のエピソードを著者自らが語る随筆「捕物小説について」を付録として掲載。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第三巻 双色渦紋
第3巻には昭和23年から24年にかけて執筆された長編を含む9編を収録。
埼玉新聞に連載された若さま侍捕物手帖の初の長編の双色渦紋と、二本傘の秘密、土牢人、きき酒道中、十六剣通し、お手討ち文、人化け狸、からくり蝋燭、嘘から出た真の短編8編を収録している。このうち、二本傘の秘密、土牢人の2編は、昭和25年発行の大衆読物社版以来の単行本収録で、きき酒道中、嘘から出た真は初出誌以来70年振りの刊行となる。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第四巻 悪鬼羅刹
昭和24年から25年にかけて執筆された、南蛮秘夢、風来坊、通り魔、ふたつ姿、地獄図絵、身代り騒動、菖蒲狂い、狂女失踪、嘘と嘘、生霊心中、石見銀山、消え失せた死骸、白浪商人、お色屋敷、お慈悲裁き、鳥追い地獄、捕物道中、悪鬼羅刹の短編18編を収録。
このうち、通り魔、狂女失踪の2編は、単行本未収録で昭和24年の初出誌以来70年振りの刊行となる。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第五巻 娘の行方
第5巻には昭和25年に執筆された、幽霊泥棒、花見茶番、けむり騒動、お高祖頭巾、あやめかきつばた、藤八拳ごろし、恋慕ごろし、悪心善心、お神楽化け、金の実る木、奥州安達ケ原、娘の行方、小唄からくり、あやふや人形、両国橋・天満橋、禅問答、どんどろ闇の短編17編を収録している。
このうち、娘の行方は、昭和25年の大衆読物社版以来の刊行となる。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第六巻 くれない系図
第6巻には昭和25年8月から26年3月にかけて夕刊紙に連載された長編の「くれない系図」を収録。
室町時代末期の幻術師、果心居士の流れをくむ二組の幻術師たちの争いを描く伝奇小説風の異色作。
様々な秘術を駆使する幻術師たちの闘いの描写で、独特の雰囲気を持つ作品に仕上げられている。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第七巻 花見ながれ
第7巻には昭和25~26年に執筆された作品16編を収録。中編の狂い恋と、恋の生首、面妖殺し、愛憎二ツならず、艶姿人妻しぐれ、風の神お宿、くぜつ幽霊、さくら船、花見ながれ、手長島、袈裟御前、川供養、太公望、女ごころ、幽霊ごろし、影の恋人の15編の短編である。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第八巻 かいやぐら
第8巻には昭和26~27年に執筆された作品13編を収録。心中くずれ、かいやぐらの2編の中編と、小一郎変化、貧乏神、鳥追い噺、お色検校、なすな恋、死骸かくし、化けもの市、怨み返し、手妻はだし、天狗かくし、隣り座敷の11編の短編である。
心中くずれ、なすな恋、死骸かくし、隣り座敷は単行本未収録作品である。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第九巻 百両壺
第9巻には昭和27年に執筆された、仙人仙薬、春雨娘、情狂い、金怨み、宙ぶらりん、百両壺、ろくろッ首問答、夕立傘、ながれ船、人魚、千姫狐、あれこれ違い、名指し幽霊、生きている幽霊、お化け伍兵衛、だんまり勘定、辻琴人情、狐つき娘の短編18編と、新たに所在が判明した昭和22年発表の身代り傷を収録。
春雨娘、身代り傷と少年向け小説の狐つき娘は単行本未収録作品である。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第十巻 幻妖七姫伝
存在が確認できている長編・中編を含む279編を、執筆年代順に網羅する初の事実上の全集化。
第10巻には昭和27年6月から28年1月にかけて夕刊紙に連載された長編の「幻妖七姫伝」を収録。「くれない系図」(第六巻)の続編にあたる長編伝奇小説である。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第十一巻 剣妖鬼
第11巻には昭和27~28年に執筆された、女心の一念、五両執念、暗がり問答、大屋根思案、天下一の人、雪見酒、福の神行状、百両なさけ、袈裟女郎、紅梅月夜、嘘つき人情、剣妖鬼、色恋の道、花見囃し、半分幽霊、月夜笛、別れ言葉の短編17編と、初出年不詳のあの世からの落し物、出合茶屋の2編、合計19編を収録。
著者の円熟期の佳作揃いの1冊。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第十二巻 神かくし
第12巻には昭和28年に執筆された、首つり榎、ぶらぶら鳥居、見えない幽霊、千姫もどき、呪えば穴二つ、笛恋い狂い、雨夜の尋ね人、みけんじゃく、用心棒、猫の弁当の短編10編と、地方新聞に連載された、神かくし、浮世やみ夜の2編の中編を収録。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第十三巻 まぼろし力弥
第13巻には昭和28~29年に執筆された、巡礼女房、二人こうすけ、身代り口説、乙女の瞳、濡衣神、地獄変相図、二分割れ殺し、人形恋慕、糸くず感状、おちよ影二ツ、大べら棒、花見船、千両河童の短編13編と、新聞連載小説として執筆された中編、まぼろし力弥を収録。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第十四巻 まんじ笠
第14巻には昭和29年に執筆された、だんまり絵解き、浮気な浦島、めくら駕籠、狸の花嫁、怪談くずれ、一夜妻、千里眼、身売り殺し、通い幽霊の短編9編と、新聞連載小説として執筆されただんまり闇とまんじ笠の2編の中編を収録。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第十五巻 金づる駕籠
第15巻には昭和29~30年に執筆された、一文惜しみの百知らず、威しぶみ、好色罪有り、天狗ヒョットコ、浮気かくし、人身御供、乱れ五菊、ビルゼン昇天、箪笥かがみ、天狗矢ごろし、三つ巴討ち、金づる駕籠、武者絵隠し、妻恋い凧、やさしい女、下手人作り、のっぺらぼうの短編17編と、少年向け小説の千両箱のみがわりを収録。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第十六巻 おえん殿始末
存在が確認できている長編・中編を含む279編を、執筆年代順に網羅する初の事実上の全集化。
第16巻には昭和30年に新聞連載された長編、「おえん殿始末」を収録。新聞連載時より話題を呼び、連載中に映画化が決定。翌年には「魔の死美人屋敷」という題名で公開された作品でもある。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第十七巻 人魚鬼
存在が確認できている長編・中編を含む279編を、執筆年代順に網羅する初の事実上の全集化。
第17巻には昭和30年から翌年にかけて新聞連載された長編「人魚鬼」を収録。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第十八巻 天を行く女
第18巻には昭和30年から翌年にかけて発表された、天守閣の狸、娘大夫、恋の投げ銭、まぼろし心中の短編4編と、昭和31年から5ヶ月余り新聞連載された長編の天を行く女を収録。
天を行く女は、「粗略には思わぬ」の一言が印象に残る、若さまの魅力あふれる一編である。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第十九巻 薄ボケ侍参上
第19巻には昭和31年から翌年にかけて発表された、お影さま明神、刺鳥竿がらみ、勘兵衛参上、ひたひた闇、一寸先の闇、乙姫女房、命の恋、女狐ごろし、嘘つき長屋、友二郞幽霊、薄ボケ侍參上、恋の闇路の短編12編と、昭和26年に放送されたラジオ劇の女ごろし屋敷を収録。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第二十巻 月光の門(上)
昭和32年4月から翌年にかけて新聞連載された、長編小説の「月光の門」を上下巻に分割して収録。
第20巻はその発端編。3人の娘が正体不明の山伏などに誘拐され、さらには将軍家の姫君まで行方不明となり、将軍家の依頼を受けて事件の探索に乗り出した若様だが、様々な思惑の者が入り乱れ、探索は難航する。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第二十一巻 月光の門(下)
昭和32年4月から翌年にかけて新聞連載された、長編小説の「月光の門」を上下巻に分割して収録。
第21巻はその解決編。山伏の集団と、それを取り巻く、さまざまな思惑を持つ者達との若さまの駆け引き、智恵較べ。ついに山伏たちの本拠を若さまは突き止めるのだが・・・。波乱万丈の解決編。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第二十二巻 おきん狐
第22巻には昭和32年から翌年にかけて発表された、罪つくり、恋慕裁き、無筆の恋文、恋慕すががき、浪人の娘、死神おりん、首くくり指南、おきん狐、殺され手紙、きつね女房、怨積お化け、幽霊の足どり、玉の肌地獄、変化恋、春信えがくの15編を収録。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第二十三巻 紅鶴屋敷
第23巻には昭和33年から35年にかけて発表された、艶福寺ばなし、狂い心中、濡れごと幽霊、災難づくり、だんまり裁き、忍術泥棒、天下の名物、死骸盗人、人情地獄の短編9編と、映画化に伴って「太公望」を改稿した中編の「紅鶴屋敷」を収録。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第二十四巻 虚無僧変化
第24巻には昭和34年に新聞連載された長編「虚無僧変化」を収録。密室状態の蔵から虚無僧に奪われた娘の謎、「南蛮勘定」をめぐる虚々実々のかけ引き。謎の虚無僧の正体は?
伝奇小説の色彩が強かったこれまでの若さま侍の長編に対して、本作は若さまの謎解きを楽しめる一編となっている。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第二十五巻 おぼろ草紙
第25巻には昭和35年に週刊大衆などに連載された、仇討くずれ、めくらまし、酔いどれ騙し、一宿一飯、暗やみ行燈、行徳の清七、おぼろ草紙、命の恋人、化けこみ店、生首人形、娘さがし、謎唄くずしの短編12編を収録。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第二十六巻 卍むらさき
存在が確認できている長編・中編を含む279編を、執筆年代順に網羅する初の事実上の全集化。
第26巻には昭和35年に週刊大衆に連載された、白羽の矢、美男かずらの短編2編と、昭和40年に発表された長編、卍むらさきを収録。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第二十七巻 かんなぎ崩れ
第27巻には昭和37年に愛媛新聞に掲載された「鳥追い化粧」(単行本未収録)、エロチックミステリ誌連載の第1作「逃げた女」の短編2編と、昭和40年に発表された長編、かんなぎ崩れを収録。幻術を操る4人の歩き巫女たちと若さまの知略の闘いを描く。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第二十八巻 影姫道中
第28巻には昭和37年に発表された「文使い姫」「どんどろ舟」「さつき闇」の短編3編と、昭和40年に発表された長編、「影姫道中」を収録。岡部美濃守の姫君の江戸から岸和田までの道中で、偽者を担ぐ陰謀をめぐる虚々実々の争いを描く道中記。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第二十九巻 しぐれの伝八
第29巻には昭和37年に発表された、女難かなわ面、生霊ばなし、袈裟掛け榎、悪洒落ごろしの4短編と、昭和40年に発表された長編「しぐれの伝八」を収録。
下妻近くの天領、代官の影山道之助が治める地の不審な動きを調べに訪れた若さまの活躍を描く。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第三十巻 牡丹に唐獅子
第30巻には昭和37年に発表された「色豪伝」と最後の短編の「待ちぼうけ」の2編と、昭和40年に発表された長編「牡丹に唐獅子」を収録。付録として単行本化の際に大幅に手直しされた「振袖猫」の原形版を付録として掲載している。
武田信玄の末裔の埋蔵金の在り処を示す尻取歌の謎を解く若さまの活躍。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第三十一巻 百鬼夜行(上)
存在が確認できている長編・中編を含む279編を、執筆年代順に網羅する初の事実上の全集化。
第31巻には昭和41年12月~昭和43年1月に千葉日報に連載された長編「百鬼夜行」の前半を収録。
太田道灌の埋蔵金を追う大岡藩、太田家などの駆引きの渦中に巻き込まれた若さまの活躍。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第三十二巻 百鬼夜行(下)
第32巻には昭和41年12月~昭和43年1月に千葉日報に連載された長編「百鬼夜行」の後半を収録。
岩槻の人形師の宏大な屋敷に隠された黄金を巡る争いは激しさを増すが、その屋敷は壮大なからくり屋敷だった。からくり屋敷の仕掛けを解き、ついに黄金の在り処に辿り着く若さまの活躍。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第三十三巻 謎文がらみ
存在が確認できている長編・中編を含む279編を、執筆年代順に網羅する初の事実上の全集化。
第33巻には昭和43年から44年にかけて日本農業新聞に連載された「女化け市」「謎文がらみ」の2編を収録。
城昌幸 若さま侍捕物手帖
第三十四巻 おどろ踊り
存在が確認できている長編・中編を含む279編を、執筆年代順に網羅する初の事実上の全集化。ついに完結。
第34巻には昭和43年から44年にかけて日本農業新聞に連載された「千姫万姫」および「若さま侍捕物手帖」の最終作品である「おどろ踊り」の2編を収録。
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